６針も縫うケガ

昨日、パセリ（うちの犬）がケガをしました。
私の留守中に妻が散歩に連れて行って、公園で繋がずにボール遊びをしていた他の犬に噛まれたのです。
一応相手の飼い主と近くの動物病院に行って応急処置はしてもらったようなのですが、診察時間が過ぎていたせいなのか抗生物質の注射と飲み薬、それに塗り薬をもらって帰ってきました。
ほぼ同じ頃帰宅した私はその傷口を見て驚きました、いくら診察時間が過ぎていたとはいえ塗り薬で済ませるようなレベルではないのです。
即、掛かりつけの獣医の先生に電話をして、ちゃんとした治療を受けさせることにしました。

私の思ったと通りです、やはり先生の見立てでも縫わないといけないくらいにくの字型に皮膚がめくれています。
人間でいうと頬骨の上の皮膚が長さ５センチくらい、骨まで達する深さで皮膚が切れているのです。
一体どんな噛まれ方をしたのでしょうか、傷口を見た限りではまったく想像できません。

全身麻酔の注射をして約１５分後、目が虚ろになり、パセリの意識がだんだん遠のいていきます。
先生はバリカンを持ってきて患部の周りの毛を刈り始めました、「「いやー、このバリカンも買い換えたばかなのですが、よかった、本職の人に見られたら恥ずかしいくらい旧式なのを使っていたのですよ」なんていいながら手際よく刈り込んでいきます。
いくら普段バリカンを使い慣れた私でも血が出ている傷口の周りの毛を刈るのはちょっと・・・。
次にカミソリで患部の周り３センチくらいの部分の毛を完全に剃ってしまします。
傷口の周りと中を消毒薬を浸した脱脂綿で拭いていきます、いくら全身麻酔が効いているとはいえ見ていると痛そうです。
縫合に入る前に私達が釣りに使うフォーセップのようなもので摘んで、捲れた傷口をおおまかにとめておきます。
さらにその傷口の間から注射器に入った白い液体を注入します、後で聞いたらこれは抗生物質だったようです。
ここまでの下準備があって初めて縫合に入ります。
月型に曲がった針に糸を通して、その針をラジオペンチのような物ではさみます、それを右手に持ちます。
左手には縫合するところをしっかり摘めるような形状をしたやはりペンチのような物ではさみます。
１針縫うと糸を結ぶのですが、私達がウイップフィニッシャーを使う要領で器用に結んでいきます、このときはさすがにプロの仕事を見させていただいたと言う感じでした。
この作業を６回ほど繰り返して縫合は完了です。
ほかに噛まれたところはないか隈なくチェックしてもらい、他に疑わしいところは無いと確認します。
麻酔は２〜３時間は効いているそうなので、パセリのぐったりした体をだっこして連れ帰りました。
帰りがけに相手の犬の飼い主に携帯から経過の報告をしたのですが、どうしても直接お詫びがしたいとのことなので帰宅する時間を告げました。

帰宅してまだ麻酔の覚めないパセリです。 青い物体は「エリザベスカラー」といって患部を自分でなめたり引掻いたりしないようにするものです。

帰宅してからぐっすり眠っているパセリをあまり動かしたくないので家の前の路上に車を停めて犬の飼い主を待ちます。
この飼い主は近所に住む某有名女優のＨ．Ｉさんで誠心誠意の謝罪をしてくれました。
お互いに犬を飼っていると何時どちらが加害者になってもおかしくないですし、私が同じ立場になったとしたら同じようなことをするしかありません。
Ｈ．Ｉさんからは先ほどもパセリのことを気遣ってのお電話をいただきました。
悪気はまったく無いわけですし、こんなことで飼い主や犬を恨むつもりもまったくありません。
ただ、最初に診てもらった近所の獣医が診療時間外を理由に応急処置で済ませたことだけが腑に落ちないのです。

抜糸までは１０日ほどかかるそうですが、この状態のままではかなりのストレスだと思います。
良くなったらどこかの広ーい公園にでも連れて行ってあげよっと・・。