飼い犬の死
犬を飼う
５月２０日午前３時２８分、飼い犬の「喜久蔵」が他界しました。
今年の６月で１４歳ですから、人間の年齢で行くと９０歳近いおじいちゃんなのでしょう。
喜久蔵は生後３ヵ月の子犬の頃に私が以前勤めていた「美容室」のお客様からある事情によりいただく事になったのです。
そのお客様はお店の「常連さん」で歴代の店長が担当することになっている大切な方なのです。
ある日その方をカットしていると、もらってきた犬の話を始めました。
とてもかわいい日本犬の雑種であることと、今飼っている猫と折り合いがうまく付かないことなど、動物が好きな私は興味深くその話を聞きました。
「へぇ〜、店長さんって動物が好きなんですね」
「ええ、私は犬も猫も大好きですよ」
それから１週間ほど経って・・・・。
そのお客様がダンボール箱を持ってお店の中に入ってきます。
「いらっしゃいませ、あれっ、今日ご予約いただいていました？」
すると、「今日は髪をしてもらいにきたのではなくてこの子を連れてきたのよ」とダンボール箱の中身を見せてくれました。
ムクムクッとした真っ白な毛に紀州犬の血が色濃く残った雑種犬です。
「かわいいですねー、名前は何て言いましたっけ？」と私が聞くと。
「一応私の付けた名前はあるけど、何か新しく考えてあげてね」といやな予感・・・。
どうやらこのお客様は先週この犬の話題で盛り上がったので、てっきり私が引きとって飼ってくれるものと思っているのです。
その頃の私は独身でワンルームマンションに住んでいましたし、当然そのマンションも犬や猫など飼って良い筈もありません。
しかしお店にとって大切なお客様の「勘違い」です、迷っている時間はありません。
そこは「雇われ店長」の弱いところです。
「ありがとうございます！ 大切に飼わせていただきます。」・・・・・飼うことになってしまった・・・・。
犬との生活
その当時私は独身でひとり暮らしです、従って犬など飼える筈がありません。
でも現実問題として目の前に犬がいることは紛れも無い事実です。
それまでバイク通勤していた私は、喜久蔵と一緒に毎日タクシーで通うことになります。
なにぶんにも仔犬なので食事も数回に分けて与えなければなりませんし、部屋に置いてきて留守中にワンワン吼えられては、契約違反でマンションを追い出されかねません。
その頃から付き合っていた妻の家は丁度通勤ルートだったので託児所代わりに、仕事に行く途中に喜久蔵を預けて、帰りにまた引き取って帰るという生活をしばらく続けたりもしていました。
それにしても仔犬の成長は物凄く早いです。
管理人室の前を通る時も喜久蔵を仕事用のでかいバックに入れていたのですが、ほとんどバレバレ状態になってきました。
要するに喜久蔵は私の「連れ子」であり「隠し子」だったのです。
その後、結婚してからは喜久蔵にとっても良い環境になったことはいうまでもありません。
そして、いつも私達と一緒でした。
喜久蔵の死
あれから１４年、これだけの月日を生きた犬は、犬の一生としては決して短いわけではありません。
喜久蔵と同世代の近所の犬達はほとんど姿を見かけなくなりましたし、完全に世代交代が行われた感じです。
今は悲しむことよりも、長く生きてくれた喜久蔵に感謝したい気持ちでいっぱいです。
お骨になった喜久蔵
今日の午前中、仕事のほうはなんとかやり繰りして「ペット霊園」に行ってきました。
午前９：３０、 昨日のうちに「火葬」の予約を入れておいたので約束通り、ペット霊園の人がクルマで迎えに来ました。
「立会葬」という形でお願いしておいたので、喜久蔵の遺体と私と妻と子供の３人で出かけて行き、お釜に入る前にお別れを言って、１時間ほど時間を掛けて焼きあがってからはお骨も拾うのです。
骨だけになった喜久蔵を３人で骨壷に納めながら生前を偲びました。
今、喜久蔵のお骨は居間に作った小さな祭壇の上にあります。
４９日までは家に置いておいて、その後は檀家になっているお寺にある動物の供養塔に納めるつもりです。
４９日といえば丁度「七夕さま」の頃です。
喜久蔵も星になるのかな・・・・・。
最後まで生き抜いてくれてありがとう！